院長挨拶

中原賢一恵寿病院院長 中原賢一
 ホームページを御覧いただき有難うございます。恵寿病院では平成25年4月にはじめてホームページを開設し、皆様に情報提供を始めました。
 恵寿病院は、東長崎から愛野に続く国道251号線沿いの有喜港を臨む丘の上にあります。この丘には恵寿病院の他に同じ出口グループの養護老人ホーム「福寿園」、特別養護老人ホーム「天恵荘」、盲老人ホーム「光明荘」、グループホーム「恵」、老人保健施設「恵仁荘」、新型老人保健施設(正式には「介護療養型老人保健施設」)「恵愛荘」、保育園「恵の園保育園」が集まっており、この丘全体が「うき福祉村」と呼ばれています。ここには病院入院中の患者さんおよび施設入所中の利用者さんを合わせ、約600名の老人が生活しており、この多くの方がいわゆる「虚弱老人」(日常生活を独力で行うことが難しく、何らかの手助けが必要な老人)と言われる方々です。
 当院入院患者さんの4割はこの福祉村内の施設から入院された方で、残りの6割が主に県央地域の各病院から紹介された患者さんです。ご紹介いただく患者さんは、急性期病院からが主で、その病状から長期の医療継続が必要、あるいは様々な疾患による末期状態で看取りが必要な方々などです。急性期病院の対極に位置づけられる当院の様な長期入院が可能な慢性期病院も地域では重要であり、さらに今後の社会の高齢化に伴い、より一層必要性が増加すると考えています。
 当院の最大の特徴は「うき福祉村」の一つの施設であるということです。うき福祉村の施設はそれぞれの施設で対象とする老人の医療・介護レベルが異なります。つまり様々な医療・介護レベルの老人にそれぞれ適した施設があると言えます。この2年間、医療連携室機能を強化し、グループ内連携をより積極的に行うことで病院と施設、あるいは施設間の移動がよりスムースに行えるようになりました。具体的に病院側の視点で言えば、病院に入院した患者さんの病状が安定すれば、その介護度に応じた施設へ移動して生活していただき、逆にそれらの施設で病状が悪化すれば必要な医療のために病院に入院させ加療します。また介護度の変化に応じて施設を移動することもできます。すべての施設が協力することでどのような状態の老人にも対応できることがうき福祉村の最大の特徴です。さらに今後、病院からの連携先は出口グループ内のみならず、グループ外の施設へも積極的に拡大したいと考えています。
 最近の当院の第1の変化は、まず重症患者さんの増加です。特にこの1年は急性期病院からの転院が増加し、重症患者さんの比率が急速に増加しました。これに伴う様々な課題に対し病院全体で努力中です。第2の変化は歯科医の常勤化です。病院での重症患者さんや施設での重介護利用者さんの歯科治療や口腔ケアはついおざなりになりがちですが、歯科医を常勤化し積極的に治療や指導を行うことで、患者さんや利用者さんの口腔衛生が見違えるように改善しました。
 一方従来からある誤嚥性肺炎や尿路感染などの合併症や、経口摂取が困難になった際の人工栄養の適応などは、老人特有の問題です。また老人の大きい意味での終末期をいかに充実させるかは当院の最大のテーマです。これら様々な課題への取り組み、また日常の業務については老人医療の基本である多職種の協力のもとで進めています。うまく自分の意思を伝えられない患者さんに、いかに快適な入院生活を送っていただくことが出来るかは、医療、看護、介護、および事務系職員が連携しどれだけ快適な環境を作れるかにかかっています。
 「自分がしてもらって嬉しい事を患者さんに提供しよう。」を変わらぬ目標として当院を運営して行きたいと思います。皆様よろしくお願いいたします。

平成27年9月1日

総合パンフレット