恵愛荘

ご挨拶

井上長三世界一の長寿国となった日本ですが、2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、年間死亡数は現在の約1.5倍となるといわれています。高齢者のための施設・病院は、ますます重要な存在意義を示すと思われます。国は、2006年「医療制度改革関連法」を成立させ、介護療養病床廃止、医療療養病床削減計画を進めてまいりました。その受け皿として、2008年5月 介護療養型(新型)老人保健施設導入を決定しており、国の指導により恵寿病院よりの転換事業として新型老人保健施設「恵愛荘」が、2013年8月開設いたします。入所ベッド数100床(4人部屋80床、個室20床)、ショートステイベッド数20床(4人部屋16床、個室4床)で、長崎県下で9番目、新型老人保健施設としては県下最大規模の施設となります。介護保険の施設として、従来の介護老人保健施設とは、その役割が異なっています。従来型では、「比較的病状が安定し、リハビリテーションに重きを置いて、在宅復帰を目指す施設」ですが、新型では、「介護療養型医療施設と介護老人保健施設の中間的な施設の役割」を果たします。具体的には、入院する程度まで症状は重くない、急性期治療が終わり、慢性的な症状のための療養の方が対象ですが、経管栄養や吸引等の一定の医療処置が必要な方も受け入れ、ターミナルケアや看取りまで行う施設です。

 ケアの必要度や要介護度が高い高齢者では、来るべき死が避けられない場合、延命治療は耐え難い精神的、肉体的苦痛をただ持続させるだけであることがあります。「治す医療」から「生活を支える医療」への転換が必要であると思います。人生の質を改善するように、多職種の協力で努めます。尊厳ある生を全うできるように、個人の意思を尊重します。

 恵寿病院と併設していますので、恵愛荘は、恵寿病院と同じ理念「生活を支える医療と介護」に向かって、苦痛が出現したり、医療の効果が望める時には「恵寿病院」、安定した時期には「恵愛荘」で、しかもターミナルケアまで行える、という互いに補い合える関係で進みますので安心していただけると思います。個室もありますので、終末期を迎えられた患者、ご家族のニーズを満たすような環境を整え、ケアの提供を行っていきます。要介護認定を受けておられる方が絶対条件ですが、急性期病院からのご紹介、また入所のご検討をどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成25年2月吉日
恵愛荘施設長  井上 長三

総合パンフレット