医療法人和光会 恵寿病院

院長挨拶

中原賢一 恵寿病院院長 中原賢一

この度は、当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。

恵寿病院は、東長崎から愛野へと続く国道251号線沿いの、有喜港を望む丘の上に位置しています。この丘には、当院のほか、出口グループが運営する養護老人ホーム「福寿園」、特別養護老人ホーム「天恵荘」、盲養護老人ホーム「光明荘」、グループホーム「恵」、老人保健施設「恵仁荘」、介護医療院「恵愛荘」、保育園「うきうき保育園」が集まり、「うき福祉村」と呼ばれています。さらに、離れた場所には二つの地域密着型特別養護老人ホーム「諫早中央」と「ニュータウン」があります。

これらの施設には、入院患者や施設入所者を合わせて約700名の高齢者が生活しています。それぞれの施設は、認知能力、運動能力、経口摂取の可否などに応じた療養・生活の場を提供しており、高齢者一人ひとりに適した支援を行っています。

当院に関わる高齢者の方々は、加齢や疾患の影響で認知症や日常生活動作(ADL)の低下を認めますが、その程度はさまざまです。一見すると不自由に見えるかもしれませんが、それぞれの能力の中で精一杯生きようとされています。当院のスタッフは、高齢者の方々に寄り添い、その人生を支えることに誇りを持って日々の業務に取り組んでいます。

当院は、もともと「うき福祉村」の附属病院として設立されました。現在の入院患者の内訳は、うき福祉村施設からの入院が3割、県央地域の急性期病院からの転院が4割、地域の医療機関からの紹介が3割です。患者さんの多くは高齢者で、疾患も肺炎、脱水、心不全、尿路感染、脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折術後、神経難病、各種の癌の末期など、多岐にわたります。

当院では、急性期病院とは異なり、じっくりと医療を提供することが可能です。短期間の入院を基本とする急性期病院が多い中、当院のような病院の役割は、今後ますます重要になると考えています。

近年、当院が取り組んできた主な施策をご紹介いたします。

1. 総合相談室を活用した医療・介護連携の強化

  • うき福祉村の各施設は、認知能力や運動能力、経口摂取の可否などの違いに応じたケアを提供しています。グループ外からの相談にも対応し、患者さんの状態に応じた適切な施設への受け入れ調整を行っています。
  • 高齢者の健康状態は日々変化するため、医療連携室の機能を強化し、施設間のスムーズな移動を支援しています。

2. 歯科医療の充実による口腔ケアの強化

  • 口腔ケアの充実により、誤嚥性肺炎の予防を強化しました。歯科医を常勤化し、歯科衛生士を増員することで、病院内だけでなくグループ全体の口腔ケアの質が向上し、誤嚥性肺炎による入院が大幅に減少しました。

3. 嚥下機能評価と嚥下内視鏡検査(VE)の導入

  • 「食べること」は生きる上で最も重要な要素の一つです。嚥下障害による誤嚥性肺炎を防ぐため、嚥下内視鏡検査(VE)を導入し、安全な食事の提供を支援しています。
  • VEを活用した嚥下機能の評価により、誤嚥性肺炎からの回復や、経管栄養や中心静脈栄養から経口摂取への移行など、多くの成果を上げています。

4. COVID-19対策

  • 当院では、早期から感染症対策に取り組み、遺伝子検査(LAMP法)を導入しました。これにより、院内やグループ施設内での感染拡大を抑えることができました。

5. 人工栄養の適応についての考え方

  • 経口摂取が困難になった場合の選択肢には、①自然な死、②経管栄養、③中心静脈栄養があります。どの方法が最適かは一律に決められるものではなく、本人やご家族の価値観に基づいて判断されるべきだと考えています。
  • 人工栄養を施すことで、家族との時間を楽しんだり、リハビリを継続できる方もいます。私たちは、患者さんやご家族が納得のいく選択ができるよう、適切なアドバイスを行ってまいります。

これまでおよびこれからの目標

高齢者の最期の時間をいかに充実させるかは、当院にとって最も重要な課題です。医療、看護、介護の連携を強化し、患者さんが快適に過ごせる環境を提供することを使命としています。

「自分がしてもらって嬉しいことを患者さんに提供する。」この理念を大切に、今後も病院運営に尽力してまいります。皆様のご支援とご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和7年1月