医療法人和光会 恵寿病院

内科

担当医師について

 下記の内科医師7名が皆様の診療を担当します。
 中原賢一(院長 S54卒)、赤星正純(副院長 S52卒)、村谷智子(診療部長 S57卒)、出口泰子(S61卒)

恵寿病院の病棟構成および新型老健(恵愛荘)との連携

 これまで恵寿病院の病棟は5病棟233床で構成されていましたが、平成25年8月1日以降、東2,3病棟相当分100床が、新型老健「恵愛荘」に病床転換され、病院は西2、西3、西4の3病棟133床で稼働を開始しました。病棟はすべて療養型病床です。
 これまでは5病棟のうち1病棟(西4)が介護保険で運用される病棟でしたが、8月以降恵愛荘2療養棟分が介護保険で運用されます。つまり恵愛荘はこれまでの西4病棟に相当する位置づけとなり、病状に応じて恵寿病院と恵愛荘は緊密に連携していきます。

内科の特徴

  • 長期療養に適した体制
    1. 医療システム
      当院は長期療養を目的とした病院であり、急性期病院とは多くの点で異なります。現在長崎県のほとんどの急性期病院は医療政策のもとにDPC(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類別包括評価支払い制度)という医療体制をとっており、一つの診断でその治療だけを行い(単一診断、単一治療)、出来るだけ短期の入院を目指さなければなりません。そのため多くの急性期病院の平均在院日数が2週間以内となっています。一方当院は慢性期患者を対象とした病院であり、入院期間に制限がない長期療養に適した医療システムで運用しています。
    2. チーム医療
      高齢者の長期療養では医療と日常ケアの両立がとても重要です。医療の内容・必要度はその時々の患者さんの病状により変化しますが、一方日常生活の介護は常時必要です。そのために病棟には急性期病院にはない介護専任の職種(介護士)がいます。医師、看護師、介護士、また必要に応じて栄養士、薬剤師が連携し、ご家族と連絡を取りながら患者さんの長期療養を支えます。また病棟においては看護師や介護士が毎日カンファレンスを行い、協力して患者さんの療養生活を快適に保つ努力を行なっています。
    3. 歯科の重要性
      長崎大学歯学部から歯科の先生に来ていただき、院内向けの診療を行なっています。高齢者には虫歯や義歯も多く、治療が必要な患者さんが数多くいます。また口腔ケアが肺炎の予防に有用であることが明らかにされ、口腔の清潔を保つことが日常ケアの中での重要なポイントになっています。必要な時に歯科の先生が身近にいることがとても役立ちます。
    4. 皮膚科
      皮膚科疾患は特に高齢者では重要です。そこで諫早市内で開業されている皮膚科医師に、定期的に来診いただき入院患者さんの診断、治療をお願いしています。
  • 内科病棟における方針
    1. 人生の終末期
      入院してこられる方の多くは様々な疾患やその後遺症で理解力や判断力が低下したり、日常生活活動度が障害されて高度な介護が必要となり、自宅での介護が困難な方々です。これらの患者さんでは長期入院の後、最後を当院で看取らせていただくことが多くなります。こういう状態は大きな意味での人生の終末期に該当すると考えています。当院ではこの終末期に患者さんができるだけ快適に過ごせることを目的としてチームで医療・介護を行ないます。
    2. 狭義の終末期
      いずれの患者さんにも死に至ることが避けられない時期が来ます。私どもは、長い闘病生活を送られてきた患者さんの最後は、家族の皆様に見守られながら静かに息を引き取られることが望ましいと考えています。ただこの終末期の医療に関してはそれぞれの御家族で思いが異なりますので、個々に意思を確認しながら対処しています。
       当院では終末期にどのような治療を希望されるのか、あるいはどのような治療は希望されないのかの確認を事前に行ない、書類として残しています。当院の入院患者さんの場合、ご本人の意思確認は難しい場合が多くなりますので、ご家族との協議のうえで書類を作成します。これはその時々の御家族のお考えによりいつでも変更が可能です。
    3. 抑制ゼロを目指して
      一般に認知症、せん妄などの患者さんでは思わぬ行動を取るため、事故につながる危険性が高いことも多く、ベッドに縛り付けたり、ベッドを柵で囲んだり、あるいは鎮静剤を用いるなどして、医療者側の都合で安易に抑制をしてしまうことがあると言われています。抑制は医療上どうしても行わざるを得ない場合がある事は事実ですが、不必要な抑制を行なってはいけないと考えています。当院では患者さんの尊厳を守るために抑制防止委員会を立ち上げて抑制ゼロと目指し積極的に活動しています。
    4. 持続点滴や尿バルーンカテーテル留置
      治療上必要な場合を除き、持続点滴や尿バルーンカテーテルの留置を極力減らします。患者さんにとってこれらの処置を減らすことは快適になることであり、また結果的に点滴刺入部からの感染による敗血症や異物が留置されることで誘発される尿路感染などを防ぐことができます。
    5. 清潔
      日常生活で清潔を保つ事は患者さんの療養生活の快適にする上でとても重要です。また清潔を保つことで、続発する皮膚疾患を予防することにもつながります。我々は患者さんの清潔を保つ事に力を入れています。

**内科では以上のような方針に基づき、患者さんに快適な長期療養生活を送っていただけるよう努力しています。